第4回 脱出の時の「ベルトとドアの援助」

CA時代のエピソード

さて、第4弾、今回で最後になります。

ベルトとドアについて書きます。
これは、このことがわかると、大変感謝されて乗務員から黄色い声が上がってきます。

1)援助をする

元国際線ファーストクラス客室乗務員 エグゼクティブクルー熊谷留美子のおもてなし実践講座

この写真の○印の方のように、脱出シュートの下で援助していただけると、本当に多くの方が助かります。

ただ・・・、ご自分も脱出されたい気持ちになると思います。
実際に、それどころではないからです。

それでも、なにか手伝ってもいいよ~ と気持ちになられたときに、○印のところでたっていただけると大変助かります。
そして、滑る方は必死なので、「風上」の方向も指示してあげます。

 

JALの訓練の場合ですが、この下の○印の方を決めるときには、ドアのところで「下で援助してください!」と叫びます。

普段、離陸の前には、毛布をお配りしてニコニコしているようですが、「しっかり」援助してくださる方を無意識で探しています。

命に関わることだからです。

こんな自分のことよりも他の乗客の方を助けてくださる「あなた」は、そう、いっぱいもてます。
真の英雄です。

 

2)ベルトを外す

実は、パニックの状態は普段からやっていることは、簡単にできます。
なので、ベルトは、何回も開け閉めを練習してみてくださいね。
本当に、それだけ重要なのです。

 

訓練では、「ベルトを開けられない人」の役目の人もいてどうするかを対応します。
恐れおののいて、なにも出来なくなるのです。
そんな人には、「ほっぺたをぶって」でも正気になってもらいます。
(と、私は教えていました)

ご自身も大変ですが、周りの方が脱出できないからです。

全員が脱出したら、乗務員は最後の見回りをします。

ここでは、「パニックになると、ベルトは外せなくなることもあるんだなぁ」と覚えておいていただけたらと思います。

我が息子が一人で飛行機に乗ったのは規定で決められている8歳のときでした。
ちびっこVIPとかではなくて、誰の手も借りずに一人で乗れる年齢というのがあるので、その時の許可の基準は、機内でどう過ごしているかを私は事前にテストしてみました。

 

あるときに、一緒に搭乗したときに、
「非常口は?」と聞いて、
「あそこ、あそこが火災のときには、あっちのドア、それがダメなら、あそこのドア」とスラスラと答えていました。
機内に入ると、「安全のしおり」を真剣に見ています。
機種ごとに、ドアの数が違うので毎回、かなり真剣に見ています。

「ベルト」も簡単にできるようになり、「非常口とほかに2つの非常口」と、「酸素マスクの場所」を言えるようになりましたので、8歳からの一人旅の許可を出しました。


ちなみに、赤ちゃん連れの方とか、サポートを必要とされる方に関しては、
「必ず最後に私がまいりますので、お席でお待ちくださいね」とお声をかけておきます。

一人では脱出ができないので、ご一緒に滑ることもやります。

そんな訓練をちゃんとしていますので、安心してくださいね。


蛇足ですが、少々ベルトがきついかた・・・、そういうかたには、別にベルトが用意されています。
エクステンションベルトと言います。
女性の方が、まつげを長くする「エクステ」と呼ぶ、エクステンションと同じ意味です。
乗務員は、「必要かなぁ」と思ったら、さりげなく見守っていますが、「そんな延長ベルトもあるんだなぁ」と知っておかれるといいなぁと思いました。

今回は、国内で脱出シュートを使う事柄がありましたので、もし参考になれたらとおもい、書いてみました。