コナカ激安オーダースーツを生んだ社長の「現場力」2/3

副業の応援メッセージ

コナカ激安オーダースーツを生んだ社長の「現場力」

 

● オーダーメイドでも 安い理由とは

湖中社長には思い当たる節があった。

eコマース市場は伸び続け、一昔前は「近所のお店に行って在庫の中から選ぶ」のが当然だったが、次第に「自分ぴったりの商品を徹底的に探す」ことが当たり前になっている。

ITの進化により、選択肢が増えているのだ。

「その時に、思ったのです。スーツを1000着吊してあればかなりの大型店ですが、お客様にとってみれば、買わなかった999着は意味がないのだな、と……」

解決策もなくはない。

オーダーメイドで、そのお客様だけの一着をつくればよいのだ。

しかし、オーダーメイドは高額で、納期も長い――はずなのだが?

湖中社長は思考実験を繰り返した。

いま、IT業界は伸び盛りだ。

いや、正確にいえば、すべての業界にITの力が入り込むフェーズが到来している。

湖中社長は「ITの力を取り込めば、オーダーメイドを一変させることができるのではないか?」と考えた。

まず、お客さんがアプリでスーツをオーダーできれば、店員が伝票を書き、工場に発注する手間がない。

最初の一度は、お店に来てもらい、テーラーが丁寧に採寸する必要がある。

しかし2度目からは、圧倒的低コストで受注できる。

商品を宅配便で届ければ、お客さんは来店する手間すらかからない。

これを実現するには、工場を進化させる必要があるが、湖中氏は工場の現場も熟知していた。

オーダーが入ったら、自動で裁断と縫製が始まるシステムを「構築できる」と踏んだ。

CADやCAMを駆使すれば、一着一着サイズや仕立て方が違う商品を“大量生産”できる。

「なかには袖付け、襟付けなど、匠の技が必要な工程もあります。

スーツの生地により、多少、付け方を変えた方がいいんです。

ならばここだけ、職人が担当すればいい」

するとオーダーメイドの有利な点が浮かび上がる。

店舗には生地見本を置いておけばいいから、坪数が少なくなる。

人員も少なく済む。

すなわちコストが削減でき、販売価格も下げられるはずだ。

「こうして原価を計算すると、1着3万5000円からという驚異的な価格でオーダーメイドのスーツをつくれるとわかったんです」

続きは3/3で

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